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本校初 沖縄での見学旅行

今年の見学旅行は、1112()15()34日の日程で行われました。研修のメインテーマは平和学習。本校では広島、長崎と原子爆弾被爆地での研修が続いてきましたが、今年は「醜さの極致」といわれるほど太平洋戦争の中でも最も激しい地上戦が行われた沖縄。東高校では初めての見学旅行先です。また、沖縄戦における集団死(集団自決)に関して日本軍の強制があったかどうかの教科書の記述をめぐる問題もマスコミで取り上げられたり、生徒たちは夏休み頃から、問題意識を持って事前研修を重ねて、沖縄への見学旅行へ出発しました。

 

1日目土砂降りの雨の中、東高校をバスで出発し千歳空港へ。直行便で11月の苫小牧から夏のような陽気の那覇へ。

最初の研修は「すべての武器を楽器に」で知られる喜納昌吉さんのライブハウス「チャクラ」で沖縄伝統芸能体験。島唄になくてはならない楽器「三線」は、床の間に置かれる程大事にされ、音楽は沖縄の人たちの生活に根ざしています。見学旅行のスタートは、唄い、踊り、チャンプルーズの演奏から一気に盛り上がりました。終了後喜納昌吉さんが現れ、サインをもらっている生徒もいました。

2日目は、「美ら海水族館見学」と水納島に渡って「マリンスポーツ」。魚類で最大のジンベイザメの繁殖を目的とした巨大アクリルパネル水槽(22.5m、高さ8.2m、厚さ60cm)の中を悠々と泳ぐジンベイザメやマンタに圧倒されました。

マリンスポーツは、本島から船で水納島へ渡り、ウエットスーツを着用。体育の授業で身につけた水泳の腕前を生かし、スノーケリング、バナナボートなど、サンゴ礁の青く透き通った沖縄の海を満喫しました。

ホテルへの帰路、米軍嘉手納基地を見下ろす道の駅「安保の丘」へ立ち寄り、戦後も基地問題で揺れている沖縄の姿を確認することができました。

3日目は、平和学習、世界遺産「首里城」見学。「摩文仁の丘」、「平和の礎」、「ひめゆりの塔」、「ガマ」などを、現地の平和ガイドさんの説明を受けながら、南部の戦跡を見学しました。日本軍人、一般沖縄県民、米軍、全戦没者20万人以上の名が刻まれた「平和の礎」。自分の親戚の名前を見つけた生徒もいました。東高生と変わらない年代の少女たちの戦争の記録が残された、「ひめゆり平和記念資料館」。そして、観光旅行ではまず体験することができない「ガマ」の中の見学。沢山の命が失われたガマや、住民の命を守った権現として信仰の対象になっているガマなど、クラス毎に見学し平和宣言が行われました。

日本本土とは異なる独自の歴史や文化を持つ琉球王朝。平和学習の後は、最近あまり見かけなくなった2,000円札の図柄にもなっている「守礼門」、「首里城公園」へ向かい本土との違いを感じさせる歴史や文化の学習。

夕食はサンセットディナークルージング。レストランシップ「モビーディック号」は本校生徒を乗せ、那覇港を出港。夕日が沈む那覇港で夕食の後は、船内のステージで沖縄在住のミュージシャン「マツモトカズ」のライブ演奏。そして、本校生徒のバンドマンたちも数組出演し、盛り上がりは最高潮。この日誕生日を迎えた岡田君にはサプライズの演出。さすがは島唄・芸能の島、沖縄。盛り上げ方が素晴らしい。

4日目いよいよ最終日は自主研修。気温も上がり、苫小牧の真夏の陽気。それぞれの研修班毎にホテルから自主研修出発。多くの生徒たちは、奇跡の1マイルと呼ばれた「国際通り」周辺へ。ちょっと足を伸ばして北谷町の「アメリカンビレッジ」や東洋一といわれる鍾乳洞「玉泉洞」のある「沖縄ワールド」などへ向かうグループもあり、沖縄食文化に触れたり、自然に触れたり、お土産を購入したりと、思い思いの自主研修を行いました。集合場所の那覇空港へは多くの生徒は、沖縄唯一の鉄道(軌道)ゆいレールを利用。

2年生280人を乗せた飛行機は、真夏の北海道のような沖縄から、初冬の北海道は千歳空港へ。バスに乗り込む生徒は口々に「寒いー、沖縄に戻りたい。」

大きな事故もなく、天候にも恵まれた見学旅行は無事終了しました。

34日と例年よりは1日短い日程でしたが、盛りだくさんの内容。「鉄の暴風」が吹き荒れた沖縄。基地問題で揺れる沖縄。平和を望む気持ちはどこよりも強いでしょう。リゾート地としての沖縄だけではなく、平和を考える機会になりました。また、日本は南北に長く多様な自然環境に恵まれ、そして様々な地域には独自な歴史や文化が発達しているということを実感することができた沖縄での見学旅行。

今後は千歳−那覇の直行便がなくなるなど、沖縄での見学旅行は実施が難しくなってくる状況ですが、直行便がなくても行く価値があるかどうかは今後検討すべき課題だと思います。

今回旅行団団長渡辺校長は、教員として最後の見学旅行引率。韓国も含めて様々な地域へ引率経験がありますが、沖縄は初めてということで感慨深いものがあったようです。